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『入亜学欧』

2002年12月25日

はじめに・・・

これは私の師「老板・上野清治氏」の造語であり、読んで字のごとく「アジアに入りヨーロッパから学べ」という教えですが、私もこの言葉・意味に共感しております。

皆さんもご存知のように、ここ10年の中国の急成長は目を見張るものがあります。ヨーロッパの繁栄、アメリカの繁栄、そして日本、中国と近年の繁栄の巡りを見てみますと常に太陽の方向と同じ東から西へと巡っており、次はアジアの時代、それも長く続くような気がします。
歴史上我々日本人が大国中国を文明として追い抜いた歴史は、過去4000年から見ても近年何十年という短い期間だけであり、今まだ日本に余力があるうちに近隣であるアジア諸国に貢献し、アジアとの友好関係を築いて更なる発展をするべきではないかと思っております。

これまで多くの飲食関係者がアメリカ視察に行っておられましたが、私はヨーロッパやアジアを多く回ってきました。とはいえ、私自身も三度程アメリカには行ったことはあるのですが、飲食とは別で学ぶ事は沢山ありましたが、食文化についてはあまり興味のある物がなく、アジアを中心に何十回と訪問・調査をして参りました。
そして、日本とアジアの飲食コラボレーションを少しずつ進めて参りました。私が世界を色々と回って見えてきたものは「アメリカナイズされ過ぎた日本の現実」です。


戦後の復興には一役を担った色々なものも、今 まさに変革の時期に来ているように思えますが、そこで見習いたいのが豊かな習慣を持った民族・国々です。各国色々な良さがありますが、ヨーロッパやニュージーランドの民族性が非常に参考になるのではないかと考えます。

いろいろと前置きが長くなってしまいましたが、これまで何度も異国の文化を受け入れ進化してきた日本にとって、「入亜学欧」という考え方は“今”本当に必要だと痛感します。

以下、私なりの理由を書きますので、少々お付き合い下さいませ。

  

『入亜』

まず現在のアジアはとてもエネルギッシュです。

これからの時代の中心となるであろうし、まだ手付かずの食材や商材、ライセンスが多数存在します。
オンリーワン商品なのに商社の方々が扱わない(扱えない)小量な物があり、個人輸入と大量輸入の間のニッチビジネスは、日本国内でチェーン展開するには最高のコンテンツであり、非常に面白い物が沢山あります。 また、日本では飽きられてきた感も強いFCビジネスである一方、アジアでは今後ニーズが高まることもあり、同じ文化圏の日本型FCビジネスの成功の確立は非常に高いと思われます。
それにアジアでは日本贔屓の国も多数存在し、日本人ビジネスへの信頼性も高い。
その為、ビジネス展開が非常に進めやすいというメリットもあります。

さらに、日本のように近代化しすぎて土地を弱らせることなく自然の状態に近い農場も沢山残っており、私はこれを活かしてゆきたいと考えております 。
しかし、本当の意味でのアジア進出には別の意図もあります。結論から言うと『アジアの貧しい国々に、まずは井戸を掘ってあげたい。次に病院、そして学校。最低限、スタートラインに着けるところまで何がしかのお手伝いをさせて頂きたい』。
人間としての尊厳・・、それはアジアのスラムの少年との出会いから始まった自分との約束ですが、それを果たす為にアジアと日本に飲食ビジネスの架け橋を掛け、実際にアジアに入り、そして実現させたい。
日本はとても裕福です。ですから同じ地球人、同じ人間として助け合うべきだと思っており、我々はこれまでに数十回を超えるアジア各国への訪問、そしてジャカルタには現在3店舗の店を運営しておりますが、まだまだアリの一歩です。

今後はスターバックスさんのように、コーヒー豆の生産農園などの第一次産業の方達の環境を整えたり働ける場所のプロデュースも視野に入れており、その事がアジアビジネスを進める上での大きなエネルギーになっております。
もちろん私達はビジネスでの成功も目指しておりますが、それ以外にもこのような活動を通してこの世に生きていたという証を心に残せる事は、私達の人生にとって とても素晴らしい事だと思っています。 

コンセプトは『和僑』 ご賛同いただける方にはどんどん参加して頂き、アジアを大いに盛り上げてゆきたいと思います。

  

『学欧』

ヨーロッパから学ぶ事は非常に多い。

イタリアの高校生にとったアンケート資料によれば、

「父親を尊敬している」・・・94%
「父親の職業を継ぎたいと思っている」・・・86%
「卒業したら父親の職を継ぐ」・・・72%

と驚くような結果でした。

現在の日本ではとても考えられない数字ですが、何故このような統計結果がでるのか?
思えば戦前の日本もそうであったのではないだろうか?

例えば、戦後間もない頃の学校の先生と聞くと「お会いしたことは無いがきっと立派な人なのだろう」と思われていたが、現在ではあまり良い風には言われないし、経営者、警察官や政治家としてもおなじような答えだと思います。
戦後、日本のアメリカナイズが進むにつれて、かつて日本にもあった

「学校の先生や父親を尊敬する」「社会人としての責任を全うする」「自分の役割にプライドを持つ」

といったことが無くなってきているように思えます。
確かに高度経済成長期を経て効率的な社会制度や組織が確立されてきているが、我々日本人は大切なものを忘れているのではないだろうか?

比べてヨーロッパでは父親がプライドを持って働いている姿を子供が見てきているからこういった統計結果がでるのでしょう。
残念な話ですが、日本は今 個人商店もどんどん無くなり、現在では会社や組織に属するだけで『責任の無い自由』を主張する人達も増えており、お客様の顔を見ながら物作りに励む人は逆に非常に少なくなってきております。
そんな社会・大人に育てられた新世代の子たちはそのような精神で育ってきており、戦前の国民性を知る人から見ると非常に嘆かわしいことです。
逆にヨーロッパの国々では先人の残した叡智、歴史や文化、伝統を大切に守る、街を潰すことなく味わい深い街並みを今も残している精神があり、母親から譲り受けた鞄や家具などをブランド物よりも大切にする心があります。

しかし本当は、これこそが日本の文化『温故知新の精神』だったはずです。今こそ街作りや伝統をヨーロッパに学び、責任ある中小企業経営者を排出するべき時だと考えます。

我々は飲食を通して地域に密着した中小企業を増やし、ヨーロッパのように、 そして昔の日本のように、子供に尊敬される父親を日本に増やしたいと考えています。

  

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